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日本。CURVESはこれほど遠くまで行ったことはない。それはCURVES創刊のアイデアの原点、アルプス山脈から、今号の目的地までの直線距離の話ではない。文化、歴史、人生観といった側面から見たそこに横たわる“違い”の距離だ。アルプスの峠と太平洋の端にある日本列島の間には宇宙が横たわっている。中央ヨーロッパと東アジア、山岳と海洋、何もかもがほとんど地球の反対側だ。だからと言って、CURVESの信条である"ソウルフル・ドライビング"を突き進める原動力や遠い彼方への憧憬を妨げるものは何もない。それどころか磁石のように吸いつけられる。旅に出る前にこれほど好奇心をそそられ、ワクワクしたこともあまりない。私たちの頭に焼き付けられている日本のイメージは、現実の日本を見たり、理想的なルートで日本で車を走らせたりすると、どうなるのだろうか?7,000キロ走った後にそれがわかるだろう。今号のCURVESでは、その一部始終を多くの画像とともにご紹介している。是非一緒に日本を発見してほしい。信じられないほどの深みと複雑さがある国、その魅力から逃れることなど誰にもできないだろう。私たちは、冒険と旅の喜びから生まれる神秘的で魔法のような素材が、再び曲線を描きながら編み上げられていっているという事実を密かに喜んでいる。日本での旅行記で道路が主人公になるのは珍しいことだ。しかし、この“道”という主人公は素晴らしい選択肢であった。ドライブは、いわば全ての体験を束ねる焦点距離のように、常に同じリズムを与えてくれる。まるで道中がないかのように、きまったスポットだけを見ていたら、全体像がゆがんでしまう。日本では特に旅の前にそれをしっかりと意識することが重要だ。都市と田舎に等しく重きを置けば、文化と景観が交じり合う交差点を見つけられるだけではなく、そこに織りなされる織物全体を見ることができるからだ。調和と心遣いをもっての旅、そう、日本はこんな旅をするのに一番の場所なのだから。